A:令制国の郡数・郷数
1:令制国諸国の郡数、郷数
郡里の構成
里(郷)
1里は五十戸で構成された。
1戸は約20人の構成であったとされている。よって、1里は約1000人の構成となる。
715年(霊亀元)に里は郷(ごう)と改称され、郷里制に変わった。
郷は2~3里に分かれ統率者は郷長であった。里には里正が置かれた。
740年(天平12)頃を境に里は廃止され郷制に移行した。


郡は20里、20里は1000戸を上限として、その領内に含まれる里数によって五等級に区分される。
   大郡は16~20里
   上郡は12~15里
   中郡は8~11里
   下郡は4~7里・・・・下郡には主政が置かれず
   小郡2~3里・・・・小郡では大領・少領を区別せずにただ領一人を置いた。
最大で、1郡=20里=1000人×20=20000人の構成となる。

道別の郡数、郷数
  郡数の全国平均は1ヵ国当たり  8.7郡±2.8
  郷数の全国平均は1ヵ国当たり 59.1郷±18.0
  1群当たりの郷数は、59.1/8.7=6.8郷となる。

畿 内
5ヵ国
東海道
15ヵ国
東山道
8ヵ国
北陸道
7ヵ国
山陰道
8ヵ国
山陽道
8ヵ国
南海道 
6ヵ国
西海道
11ヵ国
面積(㎢) 6.872 41.035 105.609 25.186 17.117 24.235 24.666 43.660
900年人口 583.600 1..256.400 873.400 461.400 543.600 686.600 403.700 697.500
国数 5 15 8 7 8 8 6 11
郡数 53 128 113 31 52 69 50 96
郷数 349 1009 735 230 387 498 324 509
式内社数 545 703 366 336 530 127 156 98
式社内数平均(/国) 90.8 46.9 45.8 48.0 66.3 15.9 26.0 8.9
郡数平均(/国) 10.6 8.5 14.1 4.4 6.5 8.6 8.3 8.7
郷数平均(/国) 69.8 67.3 91.9 32.9 48.4 62.3 54.0 46.3









国別の郡数
郡数の全国平均は1ヵ国当たり  8.7郡±2.8
Z検定の結果、7群以下の場合、統計学的に有意に郡数が少ないと言える。

結果をグラフで示し、P値によって色分けをした。

青色 有意差無し(平均値より多いといえる)
オレンジ色 p<0.05 (有意差あり、平均値より少ないと言える)
赤色 p<0.01 (有意差あり、平均値より極めて少ないと言える)

畿内、東海海諸国の郡数

  

東山道、北陸道、山陰道諸国

    
 
山陽道、南海道、西海道諸国の郡数

  


国別の郷数
郷数の全国平均は1ヵ国当たり 59.1郷±18.0
Z検定の結果、51郷以下の場合、統計学的に有意に郡数が少ないと言える。

結果をグラフで示し、P値によって色分けをした。
青色 有意差無し(平均値より多いといえる)
オレンジ色 p<0.05 (有意差あり、平均値より少ないと言える)
赤色 p<0.01 (有意差あり、平均値より極めて少ないと言える)

畿内、東海海諸国の郷数

  

東山道、北陸道、山陰道諸国の郷数

  

山陽道、南海道、西海道諸国の郷数

  

B:令制国の郡数・郷数と式内社数の関係
1:相関関係
郡数と郷数の相関関係
相関係数は0.8717で、当然のことかもしれないが、郡数と郷数の間には強い正の相関関係があった。

         

郡数と人口との相関関係
相関係数は0.7013で強い正の相関関係がある。

        

郷数と人口との相関関係
相関係数は0.7930で強い正の相関関係がある。

        


2:令制国諸国の郡数・郷数と式内社数の関係
1:郡数と式内社数の相関関係
相関係数は0.253で極めて弱い相関関係がある。

        

2:郷数と式内社数の相関関係
相関係数は0.309で弱い相関関係がある。

       

3:結果まとめ-郡数・郷数と式内社数の関係
人口と式内社数の相関係数rは0.201で極めて弱い相関関係を認めるといえるかもしれない。
しかし説明率rは0.040で相関関係は有意でないと考えられる。

郡数と式内社数との相関係数rは0.253で極めて弱い相関関係がある。
しかし説明率rは0.064で相関関係は有意でないと考えられる。
郷数と式内社数との関係においても相関係数rは0.309で弱い相関関係がある。
しかし同様に説明率rは0.096で相関関係は有意でないと考えられる。

以上の結果より、国土面積、人口と式内社数との関係と同様に、式内社数は郡数・郷数に影響されない事が示唆された。


参考資料-1
令制国   山陰道の令制国(伯耆国・因幡国)   相関分析


参考資料-2
延喜式巻9・10 神名帳
「和名類聚抄郷名考證」 (吉川弘文堂 1966 池邊彌)
「和名類聚抄郡郷里駅驛名考證」 (吉川弘文堂 1981 池邊彌)




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結果2-3:式内社数の多寡に影響すると思われる要因・・・・郡数、郷数
式内社数の多寡に影響すると思われる要因としては以下の項目が考えられる。

  1:令制国の面積が小さい。 
  2:令制国の人口が少ない。
  3:郡数、郷数が少ない。
  4:経済力が弱い・・・・農業力(田積・出挙)、林業力、鉱工業力など
  5:都(中央)から令制国までの距離が遠い。  
  6:律令が定めた国力
  7:伯耆国の歴史的素地がない。
  8:その他 ・・・・政治色、人間(氏族)関係など(考察へ)

群数・郷数は、その地域の人口によるところが多い。
1里は50戸、郡は二十里、二十里は千戸を上限として、その領内に含まれる里数によって五等級に区分されていた。
よって、式内社数と郡数・郷数の関係は、式内社数と人口の関係にほぼ類似することが予測される。
しかしながらここでは、再度、式内社数と郡数・郷数の関係を検証する事とする。