歴史書について
歴史書とは
歴史書とは歴史を記述した書物のこと。
歴史書の記述には、既存の史料を収集・比較・批判し、ある基準によって取捨選択が行われている。
この作業がなされない場合は歴史書とは言えず単なる記述にとどまる。


歴史書の基本的記述形式
基本的なスタイルとして、事項が時系列順に並べられたもの(編年体)と、重要な個人の事績を追って記述するもの(紀伝体)の2つがある。

1:編年体
起こった出来事を年代順に記してゆく方法。
六国史のうち『日本書紀』を除くものは国史体とよばれる独特の記述法になっている。
これは編年体を基本としつつ、重要人物の死亡記事があるごとに簡単な列伝を挿入するものであるが、編年体の一種とされる。

代表的作品
  日本書紀  栄華物語  水鏡  増鏡 など

2:紀伝体
個人の事績を追って記述する方法。
紀伝体は以下のような構成からなる。
なお、紀伝体の名前は「本紀」と「列伝」の下の文字を取ったものである。

@本紀(ほんぎ)
皇帝・王を中心とした事柄を年毎に記述する。

A世家(せいか)
諸侯の事の記述。

B列伝(れつでん)
個々の人物(特に国に仕えた官僚)の一生や、周辺の異民族の民俗を書き並べたもの。
元々は列侯(爵位を持った家臣)の伝と言う意味と思われる

C志(し) 
天文や地理・礼楽・制度など、ジャンル別の分野史。

D表(ひょう)
各種の年表、月表など。

E載記(さいき)
各地に割拠した諸勢力の記述。『晋書』からはじまった。

F修史詔(しゅうししょう)
奉勅公撰であることを示すため、編纂命令(詔勅)が付されることがある(『晋書』)

G四夷(しい)
列伝から異民族の記述を独立させたもの

H国語解(こくごかい)
異民族王朝の場合、独自の民族語が頻出するのでその解説

代表的作品
   古事記



正史について
正史とは
正史とは
主に国家によって公式に編纂された王朝の歴史書のことである。
あるいはその国の政府が正統と認め、対外的に主張し、また教育する目的で採用した歴史書を指す。

正史は、その名から「正しい歴史」の略と考えられることがあるが、実際には事実と異なることが記載されている場合もあり得る。 
理由として、正史とは、いわば「勝者の歴史」である。一つの王朝が滅びた後、次代の王朝に仕える人々が著すため、最後の君主などは実際以上に悪く書かれる傾向にある。
また正史をまとめるに当たり、最も参考にするのは前王朝の史官が残した記録であるので、その時点で都合の悪い所が消されていたり、粉飾されていたりする場合もあり得る。

正史とはあくまで「王朝が正当と認めた歴史書」という程の意味であり、信頼性の高い史料であるとは言えるが、歴史事実を引き出すには歴史学の手法にのっとり厳密な史料批判を経て行う必要があることに変わりはない。


日本の正史
別項で記したように、日本の正史とは、奈良時代から平安時代初期に編纂された勅撰の六つの国史をいう。。
日本書紀、続日本紀、日本後紀、続日本後紀、日本文徳天皇実録、日本三代実録。
その中でも特に日本書紀が本稿の対象となる。
        
詳細は、別項:日本書紀A(総論)へ  日本書紀B(内容)へ



                  
正史以外の重要な歴史書
古事記
詳細は、別項:古事記A(概要)へ   古事記B(内容)へ

出雲国風土記                                             
詳細は、別項:出雲風土記へ

日野郡誌
詳細は、別項:日野郡誌へ



偽書について
偽書(ぎしょ)
偽書(ぎしょ)とは製作者や製作時期などの由来が偽られている文書・書物のこと。
主として歴史学において(つまりはその文献の史的側面が問題とされる場合に)用いられる語である。
単に内容に虚偽を含むだけの文書は偽書と呼ばれることはない。


偽書の位置付け
字面から「偽り」すなわち無用と誤解されがちであるが、完全に学問にとって無意味とされる物はオカルト的・詐欺的な例外を除けば少ない。
焚書や経年劣化などで歴史上に失われた文書が多いことを鑑みれば、資料が残っている分まだマシな面があるといえる。
当時の為政者や作者(と推定される人物)の心理面やその影響力を考察する点では歴史学上の価値もあるが、作為上の意図も踏まえ厳密に検証する必要がある。
また民俗学などで民間信仰の変遷を辿る際には手がかりになることもある。
偽書の難しい点は宗教・政治的なイデオロギー性を含む例が多々あることであるが、宗教書の場合その意義を必ずしも否定するものではなく両者は別の範疇に入ることに留意する必要がある。
また、意図した人為の反映されがちな文献資料 (歴史学)の欠点を補うため考古学的結果(考古資料)に照らし合わせることも行われる。


日本の歴史における偽書の可能性が指摘されている日本の歴史書
先代旧事本紀  先代旧事本紀大成経
竹内文書     東日流外三郡誌      ホツマツタヱ



日本書紀、古事記、出雲風土記の記載内容の違い
日本書記、古事記、出雲風土記の相違点へ



参考文献・資料等
「日本書紀 上・中・下」(教育社 1992年)山田宗睦訳  「日本書紀 上・下」(講談社) 
「古事記 上・中・下」(講談社 1977年)
「日本書紀」 (ウキペディア)



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正史および重要な歴史書および偽書について  
六国史(りっこくし)とは
古代日本の律令国家が編纂した6つの一連の正史のこと。一部に紀伝体的要素をとりいれつつも、おおむね編年体で記されている。

1:日本書紀
神代から持統天皇まで(?〜697年)を扱う、30巻(但しこの他に系図1巻があったとされるが失われた)。720年(養老4)完成。撰者=舎人親王。

2:続日本紀
文武天皇から桓武天皇まで(697年-791年)を扱う、40巻。797年(延暦16)完成。撰者=菅野真道・藤原継縄等。

3:日本後紀
桓武天皇から淳和天皇まで(792年-833年)を扱う、40巻(但し3/4が失われ10巻分のみ現存)。840年(承和7)完成。
撰者=藤原冬嗣・藤原緒嗣等。

4:続日本後紀仁明天皇の代(833年-850年)を扱う、20巻。869年(貞観11)完成。撰者=藤原良房・春澄善縄等。

5:日本文徳天皇実録
文徳天皇の代(850年-858年)を扱う、10巻。879年(元慶3)完成。撰者=藤原基経・菅原是善・嶋田良臣等。

6:日本三代実録
清和天皇から光孝天皇まで(858年-887年)を扱う、50巻。901年(延喜元)完成。撰者=藤原時平・大蔵善行・菅原道真等。

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続日本紀 1 (新 日本古典文学大系12)




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続日本紀 3 (新 日本古典文学大系)




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読み下し 日本三代実録〈上巻〉清和天皇