古気候学 (こきこうがく)
古気候学とは
過去の気候変動(気温のほかに降水量や雲なども含むすべての要素の変動)を研究する学問である。
古気候学(paleoclimatology)
気候変動
気候変動とは
地球の気候の変化について使われる言葉である。
最も一般的な感覚では、気温のほかに降水量や雲なども含むすべての要素の、すべての時間スケールでの気候変化について使われる。

気候変動の原因
自然の要素と人為的な原因がある。
過去においては火山噴火、隕石落下など自然的要素が気候変動の主原因であった。
しかしながら人類が出現し自然環境を人為的に操作するようになってからは、現在の地球表面の平均的な温度上昇という地球温暖化についての研究に特定される。
      内部因子・・・自然要因
      外部因子・・・自然要因と人的要因      


古気候学の研究手段
氷床コアを用いた研究方法
氷床から取り出される氷床コアには、過去に降った雪が積み重なっており、雪が降った当時の空気もその中に閉じこめられている。
したがって、その空気を抽出することで、その当時の空気の組成などを知ることができる。
また、氷の水分子中の水素や酸素の同位体比を調べることで、過去の海面気温の変化を推定することができる。

堆積物中を用いた研究方法
湖底や海底の堆積物に含まれる動植物の化石や花粉、堆積物中の物質の同位体比の分析によっても過去の気候変化の様子を知ることができる。

年輪を用いた研究方法
年輪年代学に基づく研究も行われている。
     詳細は、年輪年代学


地球の気候変遷

気候変遷
約80万年前から現在にかけて、地球は北半球の大陸氷床の拡大で証明される気候寒冷期(氷期)と、大陸氷床の融解から証明される気候温暖期(間氷期)とを繰り返している。
    寒冷期(氷期)温暖期(間氷期寒冷期温暖期寒冷期温暖期→→・・・

これは、約10万年の周期で規則的に行われており、具体的には、だんだんと寒冷化が進み、完全に冷え切った後に、急激な温暖化が起こるというパターンが見られている。

気候変化の周期性
気候変化には多数の周期性がみられる。
10万、4万、2万年単位のミランコビッチ・サイクルに関連するもの
約1500年周期のもの(en:Bond event)
約1000年周期のダンスガード・オシュガーサイクルなどがある。
より長い周期では、約 1億年前後の周期で変化する銀河宇宙線に関連するものなどがある。



気候と海水面変化
縄文海進があったBC4300年頃は、現在より平均気温が+2℃高く、氷河期では−8℃くらい低かった戸と予測されている。


地球の気候変動
長期の気候変動(数億-数年万年単位)
ヒューロニアン氷期 (24億年前-21億年前)
スノーボールアースとまではいかないものの非常に低温だったと推定される。
堆積物等の痕跡がないため推定。

スターティアン氷期 (7億5千万年前-7億年前)
スノーボールアース(全球凍結)になったと考えられる。

マリノア氷期 (6億4千万年前までの数千万年間)
再びスノーボールアースになったと考えられる。

カンブリア紀−オルドビス紀・・・・・温暖期

アンデス・サハラ氷期Andean-Saharan 4億6千万年前ー4億3千万年前。

 デボン紀・・・・・・温暖期

カルー氷期 (3億6千万年前-2億6千万年前)

 ペルム紀・・・・・温暖期
 三畳紀・・・・・・・温暖期
 白亜紀・・・・・・・温暖期

第四紀氷期
  第四紀約(260万年前から現在までの期間)に入って繰り返されている氷期。


補足

地質時代区分
先カンブリア代 冥王代 45億 地球の誕生、海の誕生、生命の誕生
始生代 38億 原核生物(古細菌と真正細菌)の出現
原生代 25億 前期 真核生物の出現
16億 中期
9億 後期 多細胞生物の出現
顕生代 古生代 5.7億 カンブリア紀 カンブリア爆発(動物が門レベルで急激に多様化
現在の動物の原始的な形態がほぼ出揃う
オルドビス紀 無脊椎動物の優勢、魚類の出現
シルル紀 陸上植物の最古の化石
デボン紀 両生類の出現、ヒカゲノカズラ属やトクサ属のシダ植物出現、種子植物の出現
石炭紀 原始的な巨木昆虫の繁栄
爬虫類の出現
石炭の元になる大森林
ベルム紀 地球上の95%の生物が絶滅。
パンゲア大陸の形成。
中生代 2.5億 三畳紀 恐竜の出現
2億 ジュラ紀 有袋類の出現、
始祖鳥(鳥類の出現)、
被子植物の出現
1.5億 白亜紀 恐竜の繁栄と絶滅。
有胎盤類の出現。
新生代 6400万 第三紀 古第三紀 暁新世
始新世
漸新世
新第三紀 中新世
鮮新世
260万 第四紀 更新世
(洪積世)
大型の哺乳類の衰退。
人類が現在とほぼ同じ状態まで進化する
完新世
(沖積世)
人類の繁栄


第四紀氷期内の気候変動
260万年前から現在まで、寒冷期(氷期)と温暖期(間氷期)が交互に繰り返されている

ヒーバー氷期

ヒーバー・ドナウ間氷期

ドナウI氷期 - 60万年前-58.5万年前。

間氷期 - 58.5万年前-55万年前

ドナウII氷期 - 55万年前-54万年前。

ドナウ・ギュンツ間氷期 - 54万年前-万年前。

ギュンツ氷期 - 47万年前-33万年前。

ギュンツ・ミンデル間氷期 - 33万年前-30万年前。

ミンデル氷期 - 30万年前-23万年前。

ミンデル・リス間氷期 - 23万年前-18万年前。

リス氷期 - 18万年前-13万年前。

リス・ヴュルム間氷期 - 13万年前-7万年前。

ヴュルム氷期(最終氷期)(7万年前-1万5千年前)


後氷期(最終間氷期)
  現在進行中の間氷期。



最終氷期(ヴュルム氷期)以降の気候変動
有史以前 (BC13000−BC1000)
最終氷期最盛期(BC18000−BC13000)

オールデストドリアス(BC13000−BC10500)

ベーリング(BC10500−BC10000)

オールダードリアス(BC10000−BC9800)

アレレ−ド(BC9800−8800)

ヤンガードリアス(BC8800−BC8300)・・・・・寒冷期
数十年間で気温が急低下・急上昇したと推定される。
ヤンガードリアスは、最終氷期が終わり温暖化が始まった状態から急激に寒冷化に戻った現象で、現在から12900年から11500年前(BC10900−BC9500)にかけて北半球の高緯度で起こった。
この変化は数十年の期間で起きたとされている。
グリーンランドの氷床コアGISP2の同位体データはこの間、グリーンランドの山頂部では現在よりも15℃寒冷であったことを示しているとされる。
イギリスでは甲虫の化石から、年平均気温がおよそ−5℃に低下し、高地には氷原や氷河が形成され、氷河の先端が低地まで前進していたことが示唆される。
これほど規模が大きく急激な気候の変化はその後起きていない

プレボレアル(BC8300−BC7700)

ボレアル(BC7700−BC5500)

ヒプシサーマル(BC5500−BC3000)・・・・・最温暖期
完新世の気候最温暖期は、およそBC5000年からBC3000年の間の完新世で最も温暖であった時期を指す。
他にヒプシサーマル、気候最適期、最暖期, 気候最良期、最温暖期、最適気候とも呼ばれている。
温暖な状態が続いた後は紀元前後位までにかけて徐々に気温が低下していった。

ネオグラシエーション(BC3000−BC500)・・・・・寒冷期
約5000年前にあったと考えられる寒冷期のこと。
氷河拡大期、氷河再拡大期と言われることもある。
ヒプシサーマルの後に起こったとされるもの。

サブアトランティック(BC500ー現在)・・・・・温暖期


有史以降
古代寒冷期(BC1000年−BC200年)

古代温暖期(BC200年-AD200年)

中世寒冷期(古墳寒冷期) (AD200年−AD700年頃)
535年から536年の寒冷期(Extreme weather events of 535?536)
文献や考古資料によると、世界各地で535〜536年に突発的な寒冷化と荒天などの異常気象が発生したと推定される。
原因としては火山の噴火(いわゆる火山の冬)や隕石の衝突が挙げられている。
有力な説として、クラカタウを含むスンダ海峡での巨大噴火が指摘されている。

中世温暖期(700or900年-1250年)
740年頃から気温上昇。
740年以前を「万葉寒冷期」、以降を「大仏温暖期」と呼ぶ。

小氷期(1250年-1850年)
1353年〜1357年頃
西ヨーロッパを中心に1315年から1317年の大飢饉(Great Famine of 1315?1317)。
ニュージーランドのカハロアの噴火によるものと推定。

1453年〜1454年頃
ヨーロッパや中国で異常気象。
バヌアツのクワエの噴火によるもの。

1601年頃
ロシアやヨーロッパを中心に寒冷な年となった。
日本や中国でも影響あり。
ペルーのワイナプチナの噴火によるもの。

1783年〜1784年頃
ヨーロッパやアメリカで寒冷化。
アイスランドのラキの噴火によるもの。
1816年 - ヨーロッパやアメリカを中心に急激な寒冷化(夏のない年)。
インドネシアのタンボラ山の噴火によるもの。

地球温暖化期 - 1850年頃-現在。

古気候学、海水面変化、歴史的事象のまとめは、
  第3章結果 1:地理学的資料の結果 「古代の気候と海水面変化および歴史上の出来事」へ



参考資料
「縄文時代の環境,その1縄文人の生活と気候変動」 (地質ニュース659号,11−20頁,2009年7月 川幡穂高)
「チャート式 新地学」 (数研出版 1991)
wikipedia 「古気候学」


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