民俗学とは
民俗学の研究対象
1:生活
   衣、食、民家、民具

2:風習
   家族制度、社会制度、通過儀礼、社会集団、生業と産業、四季の行事、まつり、遊技・競技・娯楽

3:説話・歌曲・俗諺
   伝説とお伽話、俗曲・俗謡、諺・謎、諺詩・俚諺

4:信仰
   神道、仏教、霊魂と来世、妖怪変化、予兆と卜占、魔術、病気と民間療法


民俗学と歴史
歴史は中央にあって権力を掌握している人々によって作られる事が多い。
それは、体制側に都合の良い文献的記録であり、必ずしもすべて真実を伝えているとは限らない。
しかし、体制側に不都合なものも、何らかの形でその形跡を残している場合もある。
それが伝承の持つ意義であるとも考えられる。
民俗学は、往事の人々の生活文化の解明だけではなく、歴史の裏側に潜んだ真実を探し出す糸口でもあると言える



民俗資料について
民俗資料とは
民俗学の基本となる資料で、風俗・習慣・伝説・民話・歌謡・生活用具・家屋など古くから民間で伝承されてきた資料を指す。
伝承資料あるいは単に伝承(folklore)ということもある。


民俗資料の種類
有形民俗資料・・・考古資料につらなる実物資料
  衣服・装身具・飲食用具・光熱用具・家具調度・住居
  生産・生業に用いられる農具・漁猟具・工匠用具・紡織用具・作業場など

無形民俗資料
  口頭伝承(説話・歌謡など)
  行為伝承(行事・風習など)


民俗資料の特質
民衆の伝統的な文化を、文献以外の民間伝承や生活用具・民家などを通じて研究する民俗学は、資料のうえでも方法のうえでも考古学との共通点が多いことが指摘されている。
また、民俗資料は、上述したように、権力側・知識人側・中央・貴族・官僚・男性側・成人に片寄りがちな文献資料の欠点や限界を補い、風土や生活・生業の多様性を視野に収めた、歴史事象の総合的な理解に資するところがきわめて大きい。
民俗学・考古学・歴史学のいっそうの協力が求められるゆえんであると言われている。


歴史資料としての民俗資料
文献記録は、往々にして特殊な歴史事象について多く語りすぎる傾向にある。
従って、文献記録はどうしても主観的、恣意的にならざるをえない面がある。

考古資料は、考古遺物や考古遺跡などの「モノ資料(実物資料)」であり、みずから意識して語りかけようとしないところに客観性があると言える。

民俗資料には「有形民俗資料」と「無形民俗資料」があり、前者は考古資料につらなり、後者は文献記録につらなる。
すなわち、民俗資料には文献記録と考古資料の両者を補完する潜在力も在ると言える。
さらに、伝承が、時の為政者の関心外にあったり、文字を使いこなす能力が社会にひろく行きわたっていなかったり、文字で表記してはならないという禁忌の思想があった場合の記憶もとどめている可能性も在る。
しかし、その真偽性を見極めて行く必要性を忘れてはならない。



参考資料
「日本民俗学概論」 (吉川弘文館 1983)  ウキペディア「民俗学」

日本民族学会  国立歴史民俗博物館


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民俗学について 米子(西伯耆)・山陰の古代史
民俗学とは
高度な文明を有する諸国家において、自国民の日常生活文化の歴史を、民間伝承をおもな資料として再構成しようとする学問。
民族学や文化人類学の近接領域。

すなわち民俗学は、風俗や習慣、伝説、民話、歌謡、生活用具、家屋など古くから民間で伝承されてきた有形、無形の民俗資料をもとに、人間の営みの中で伝承されてきた現象の歴史的変遷を明らかにし、それを通じて現在の生活文化を相対的に説明しようとする学問である。