点推定
点推定の概念
抽出集団のデータを用いて母集団の分布を表現するパラメータを点として推定すること。

正規分布の場合、平均値と標準偏差の二つのパラメータで分布が表現される。
通常、推定値は記号に「^」をつける。
推定標準偏差は標本分散ではなく不偏分散を用いる。
標本数をnとすると、推定平均値と推定標準偏差は以下の式で算出される。
        

        


区間推定の概念
点推定で推定したパラメータのバラツキや信頼区間を示すこと。

正規分布の場合には標準誤差 (Standard Error, SE) を用いることが多い。
平均値の標準誤差を特に SEM (standard error of the mean) と呼ぶ。
SEMは以下の式で算出される。
        



仮説検定
仮説検定の概念
区間推定値から、母集団が特定の分布に従っているかどうかを検証すること。

具体的には、データが特定の分布に従う母集団から抽出されたとする仮説を立て、この仮説の検定を行う。
この仮説を帰無仮説(きむかせつ)という。
たとえば、「抽出集団は、平均値50、標準偏差σの母集団から抽出されたものである」
       「抽出集団Aと抽出集団Bはともに平均値、標準偏差が99%同じ母集団から抽出されたものである」
といった仮説が帰無仮説となる。
こうした帰無仮説から予想される統計量と、実際に抽出集団のデータから計算された統計量が一致する確率(p値という)を求め、その確率が予め決めた基準(有意水準、5%または1%が使用されることが多い)よりも小さい(つまり「起こりそうもない」)場合には「有意差がある」として、上の仮説は棄却される。

仮説検定には様々な手法があり、帰無仮説により使い分ける必要がある。


検定手法
統計学的検定手法は、データが特定の確率分布に従うことを仮定する「パラメトリックな手法」と、それを仮定しない「ノンパラメトリックな手法」に分けられる。

パラメトリックな検定手法
    t検定  F検定  分散分析

ノンパラメトリックな検定手法
    Χ(カイ二乗)検定  Wilcoxon検定  フィッシャーの正確確率検定



参考資料
「統計学要論」 (共立出版 1975)
「バイオサイエンスの統計学」 (南江堂 1994)
「医学・公衆衛生学のための統計学入門」 (南江堂 1988)
「図解 確率・統計の仕組みがわかる本」 (技術評論社 2008 長谷川勝也)
「Excelでここまでできる統計解析」 (日本規格協会 2007 今里健一郎 森田浩)
「エビデンス主義 統計数値から常識のウソを見抜く」 (角川SSコミュニケーションズ 2009 和田秀樹)


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推測統計学 (inferential statistics)
推測統計学
無作為抽出された部分集団(抽出集団、標本集団)から抽出元全体(母集団)の特徴、性質を推定する統計学。
推計統計学または推計学とも呼ばれる。
抽出集団から母集団を推定するため、抜き取り調査による品質管理や疫学調査の基礎となる学問である。
推測統計学には以下の3つの手法が有る。
    推定・・・・観測した標本(データ)から、母集団のパラメータ(平均、分散など)を予測するための統計手法
    検定・・・・母平均μが実質科学的に意味のある基準値μ0と等しいか等しくないかを推測する統計手法